• トップ > トップ記事 > 2017年 > 6月

電撃戦を制すのは― 

 第7回名古屋けいば初日。本日はシリーズメインである「名古屋でら馬スプリントSPⅠ」(11R,16:20)がいきなり発走を迎える。今年のスーパースプリントシリーズ2017(SSS2017)はすでに2戦が消化されており、第1戦の早池峰スーパースプリント(6/4盛岡)はエーシンシャラクが、第2戦川崎スパーキングスプリント(6/15・川崎)はフラットライナーズがともに人気に応えて勝利。ちなみに盛岡を勝ったエーシンシャラクの名を聞いて、「ん?」と思った方はなかなかの東海公営通。おととしの3月に笠松の笹野厩舎に転厩、東海クラウンを勝つなど存在感を示していた馬だ。たった3か月とはいえ、東海地区で駆けていた馬の活躍を聞くのはやはりうれしいものですね。さて、でら馬スプリントはどんな結末が待っているでしょうか。

 

 今年のでら馬スプリントは地元名古屋から5頭、笠松から1頭、金沢から3頭がエントリーし9頭での戦いとなった。その金沢の3頭はかの地ではスピード勝負を身上としている馬。が、陣営のトーンはそれほど上がってこないし、関係者からもそれらしい言葉は聞かれなかった。乗り込んできたわりに控えめなコメントが逆に不気味さを感じさせるが、今回は思い切って消してみることにした。行かせたらかなり速いと言われているのが、笠松の⑥ハイジャ。魅力的な一頭に違いないが、新馬戦以来の距離でいきなりの大舞台。適性を感じながらも馬が戸惑わないかという不安がどうしても拭えなかった。スペシャリスト相手にどこまで迫れるか。

 

 名古屋の5頭はどうか。⑤サマーサラファンは堅実な走りが売りだが、この距離で同様のパフォーマンスを見せられるかどうかは疑問。昨年の覇者①ハナノパレードは〝連覇フラグ〟こそ立っているが、昨年に比べてかなり骨っぽいメンバーとなっている。よりによって最内枠を引いたことも強気になれない要因だ。⑨トーホウハンターは名古屋に転じて以来、一度もハナを譲ったことがない快速馬。時計的にも十分対応できそうだが、競馬はタイムを競うものではないし、ついこの前A級入りしたばかりの身でもある。やはり分が悪いか。④レディエントブルーはスピード十分。この距離が向いているのは確かだし、控えても問題ないのだから頼もしい存在。が、この距離、この舞台で勝ち切るにはその優等生ぶりが仇となるとの見方も。800m戦はスピードにこだわり抜いたものが勝つという記者の勝手な持論に基づき、頭勝負にはどうしても踏み切れなかった。その勝手な持論にもっともあてはまるのが逃げてこその⑧サンデンバロン(写真)。スピードは言わずもがなだし、枠もいい。なにがなんでもハナへこだわって戦い抜いてもらいたい。その展開によってはどこにもいなくなるリスクは十分承知の上、ファンの多い馬でもある。名古屋けいば的にもこの馬が勝つのが一番盛り上がるのではないだろうか。総合的に軸としての④レディエントブルー◎が妥当だろうが、頭固定で思い切った勝負をしたい方は⑧サンデンバロンをオススメしたい。 ⑧⇒④⑥①⑨

(石井学)